本日は7つの誤解後編です。
- 言語学習は難しい
- 言語学習には特殊な能力が必要である
- 習得したい言語が話される場所に行く必要がある
- 子供でなければ言語の習得は難しい
- 英語学校に通い、習う必要がある
- 言語習得のためには「話す」必要がある
- 時間を確保するのが難しい
もう、お馴染みになって来ましたでしょうか。
今日は後編ということで5〜7についてコメントをしたいと思います。
今回はやや重たい項目が含まれています。それは特に5番と6番です。
5、英語学校に通う必要がある。Steveはこれが誤解だと言います。実は私も渡米前に、「英語学校は行かなくてもよい」という話を聞いた事がありました。しかし「何故なのか」と言う点について、全く理解をしていませんでした。そして心のどこかで、「とは言うものの、英語を体系的に学ぶ事は効果的なはずだ」と考えていました。
Steveの言葉をそのまま引用します。
「教室はおそらく経済的だろうし、他の学習者と出会うのに最適な場所でもある。しかしながら、言語を学ぶには非効率な場所だ。教室に生徒が居れば居る程、非効率だ。そもそも言語は人から教われるものではない。学習者が自分で学ぶ事しかできない。体系立った文法の学習は、理解しづらく、覚えづらく、なおかつ実際に使いにくい。その証拠に、沢山の生徒たちが何年も学習しても、十分にコミュニケーションが取れないではないか。」(筆者訳)
英語学校から出される課題に真剣に取り組み、授業にも真剣に取り組んだにも関わらず、自身の成長に対してインパクトを得られなかった私に、この言葉は刺さりました。
思えば、はじめのセメスター、私のクラスは多くの時間を文法の学習に割いていました。もちろん全く無駄だというのではありません。時制について、助動詞について、新たな発見がありました。いわゆる「英語耳」の形成速度も早まったと思います。しかし、これらの学習が直接的に私の成長に「大きく」寄与した実感が、全くと言っていいほどなかったのです。クラスサイズも小さくありませんでした。一人の先生を十数名でシェアするのですから、一人当たりの先生の占有率は随分と低いものになります。
6、言語学習のために「話す」必要はない。これも衝撃的な響きがします。スピーキングはリスニング、リーディングやライティングと並ぶ四天王の一人だったはずです。それを「やらなくて良い」、とはどういう事でしょうか。
この点について、Steveの主張は複数の情報ソースに点在しています。まとめると次のようになります。
- スピーキングは後に取っておける
- それよりも多量の時間をリスニングに割く("Silent period"が必要)
- スピーキングそれ自体は英語を自分の中に取り込む作業ではない(つまり"Out put" であるから)
- 便利なフレーズ集を頭に叩き込んで「話す」必要もない
- すなわち、多くの日本人(私もそうでした!)が好むように「英会話」を通して英語学習をしても上達は遅い
- 英語を学ぶために「話す」のではなく、英語を「話す」ために学ぶ(「聞く」、「読む」=インプット)のだ
- そしてそのインプットの必要量は非常に大きいため、多量の時間がかかる
私なりの解釈はこうです。「『英語を話す』ということはアウトプットである。このアウトプットを行うためにはどうしても在庫が必要になる。この「表現の在庫」を獲得するためにインプットを行う必要がある。インプットとはつまり。『英語を聞く(そして読む)』ことに他ならない。」
私自身、以前よりこの「公式」自体は理解していたつもりでした。それは「知らないものを出せない」に決まっています。しかし「何をどれだけインプットすれば良いのか」に関してはハラオチしていませんでした。
このSteveの主張を裏付ける例として、私自身のエピソードをお伝えします。私は渡米前に準備と称して、長い間カフェでのマンツーマン形式のレッスンをしてきました。もちろん相手はネイティブスピーカーです。つまり「英会話」ですね。3年程、週に一度、1時間程カンバセーションをしていました。もちろんDefensive なレベルの英語力は付いたでしょう。外国人慣れをする、という意味でも効果的だったかもしれません。しかし、すでに皆さんがご存知の通り、あくまでDefensiveなレベル留まりです。インプットの量が圧倒的に足りていなかったのです。
7、とはいうものの時間を確保するのが難しい。たしかに、現代人の、特に会社勤めの方の日常は、多忙を極めます。自民党により培われ、民主党によりとどめを刺された我が国の経済政策的失政は、この忙しさに追い打ちをかける一方です。
有名な「1000時間ルール」というものがあります。ご存知の方も多いかもしれませんが、これは「何かをマスターするには1000時間を掛ける必要がある」というもので、1年を掛けてこれを実行しようとした場合、1日あたり3時間を費やす必要があります。
多くの自己啓発書、あるいは英語学習本によると、「1日3時間でいいんだ。それでできるようになるんだ。だからやれ!」となっています。
しかしながら、多忙を極めるビジネスパーソンにとって1日の中の3時間は決して少ない時間ではありません。そもそも他に勉強しなくてはならない事が山ほどあるビジネスパーソンが、1日3時間も割けるでしょうか。ましてや1000時間経って、「ハイ、終了!」とできる様な性質ものでは、英語は残念ながらありません。
この点に付いてSteveは「怠惰になれ」と言います。できるだけ体力を使わずに、スキマの時間を使って「聞く」事が大事だと言います。iPhoneをはじめとするiPodの類いはこれを可能にします。
通勤の電車の中で、料理や片付けをしながら、散歩の最中に、聞く。しかし彼は間違っても「聞き流せ」とは言いません。また結果的に1000時間を掛けなくて良いとも言いません。きっと彼は「1000時間なんて全然足りない!」と言うことでしょう。逆に大量の時間が掛る事を認識した上で、現実的に「チリを集めて山にしよう」と言うのです。
通勤の電車の中で、料理や片付けをしながら、散歩の最中に、聞く。しかし彼は間違っても「聞き流せ」とは言いません。また結果的に1000時間を掛けなくて良いとも言いません。きっと彼は「1000時間なんて全然足りない!」と言うことでしょう。逆に大量の時間が掛る事を認識した上で、現実的に「チリを集めて山にしよう」と言うのです。
何をどれだけ聞くのか、また、具体的に「聞く」とはどういう事なのか。この点に付いては非常に重要ですので、別の項目で改めてSteveと、そして自身の考えをお伝えします。
読んでいただいて、ありがとうございます。
※文中のSteveの言葉の引用は、SteveのYou tube 上での発言、Pod cast での主張等、Web上に点在するものを総合的に集めています。万一ご希望であれば各ソースをお伝えしますのでご連絡ください。

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